6/26〜27にかけて環境省の職員さんによる鳥獣保護区の巡視に同行して、
大黒島の調査に行ってきました。
大黒島は厚岸湾の入口にある島で、全島が国指定の
鳥獣保護区の特別保護地区に、また島の南側の一部が、
「大黒島海鳥繁殖地」として国の天然記念物に指定されています
島へは町内の床潭漁港から船で渡りました。
島に上陸する直前に砂浜の上にオジロワシの若い個体が4羽
止まっているのが見えました。
調査を通じてオジロワシの若い個体はこれ以外にも複数
見られたので、夏の期間中は若い個体は島に定着しているのかもしれません。
島には北側の神社跡付近に上陸し、そこから徒歩で赤い道をたどって
島の南側まで移動しました。
道と言ってもちゃんと整備されているわけではなく、
腰下から背丈ほどのフキが生い茂る中をかき分けて進んでいきます。
茂みの中にある鳥獣保護区を示す看板に 異常がないかも確認します。 |
の声がよく聞こえました。
特にクイナは姿は見えませんが、頻繁に茂みの中から声が聞こえ、
かなりの個体数がいるようで、大黒島では湿地ではなく、
このような環境に生息しているということが印象的でした。
またフキだけでなく、島の北側には草原になっている部分もあり、
シマセンニュウの声も聞こえていました。
島中央部の谷沿いはダケカンバなどが生える森になっており、
アオジがさえずっていました。
まだ林内の樹上にはオジロワシの巣があったりして、
島内で繁殖しているつがいもいるようでした。
ダケカンバの上にあったオジロワシの巣 大きくなった雛が2羽確認できました。 ※双眼鏡にスマホを押し当てて撮影 |
道中所々に、土にあいた穴が密集してある場所があります。
この穴は島で繁殖するコシジロウミツバメという海鳥の巣穴で、
夜になると海から島に戻ってきます。
調査中1羽だけフキの茂みの上を飛んでいる個体もいました。
この時期だと、おそらくまだ卵か雛が出始める頃だと思われます。
また道中には何か所かウミネコ(カモメの仲間)のコロニー
(集団繁殖地)の近くを通る場所があり、
そこを通り過ぎるときはウミネコが一斉に飛び上がってしまいます。。
ウミネコのコロニー内では、巣に座る親鳥の姿や、
卵からかえり、まだ綿羽に包まれた黒っぽい雛がいる様子が確認できました。
ウミネコのコロニー内では、おそらくコシジロウミツバメが
ウミネコに捕食されたと思われる痕跡があり、
ウミツバメの羽が混じったペリット(骨や羽などの未消化物が吐き出されたもの)
やウミツバメの翼だけが散乱しているのが見られました。
ウミネコのコロニー内に落ちていたペリット 羽や頭骨の一部が見えます。 |
島の踏査の後半戦と2日目の調査の様子は、
長くなってしまいまそうなので「その2」でまとめたいと思います
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